こんにちは。
突然ですがこちらの器をご覧ください。
美しいですよね…。
こちらすべて私が愛用している萩焼の器です。
目で見て、手で触って、視覚と触覚から、柔らかさとあたたかさを感じます。
心をこめてつくったお料理をのせれば、テーブルにはあたたかさが溢れます。
今回はそんは萩焼と、おすすめのお店を紹介します^^
萩焼とは
萩焼の歴史
萩焼の歴史は今から400年以上も遡ります。
1604年に戦国大名の毛利輝元が萩に本拠を構えたとき、萩藩の御用釜として開かれたことがはじまりです。
このとき中心となったのが、李勺光(りしゃくこう)と弟の李敬(りけい)という、朝鮮の陶工(=焼き物師)です。つまりこの2人が萩焼の祖です。
日本人が開窯したんじゃないんです
その少し前、織田信長が天下を目指し権力を高めるなか、茶の湯文化をおおきく発展させていきます。
織田信長が没したあと、豊臣秀吉が茶の湯文化を引き継いでいきます。
1592年、豊臣秀吉が起こした朝鮮出兵「文禄・慶長の役」では、朝鮮から多くの陶工が日本に招かれました。
その際、李勺光と李敬が毛利輝元に招かれ、後に萩焼を築いたそうです。
余談ですが、「文禄・慶長の役」で招かれた陶工により西日本諸窯の基礎がつくられたことから、この戦は「やきもの戦争」とも呼ばれているそうです。
器がすきな私にとっては興味深い歴史でした^^
萩焼の特徴①:あたたかさ
はじめて萩焼の湯飲みを手にとったときの印象は
ふっくらとした厚みのあるやわらかさ、手に吸い付くように馴染み、どこかあたたかいでした。
器って冷たくひんやりしているイメージがありませんか?実家の湯飲み、おしゃれでかわいいマグカップなど、固くひんやりと冷たいものだった記憶があります。
ですが、萩焼の湯飲みには器特有の冷たさは無く、どこかあたたかさがありました。
このあたたかさは、やわらかくふっくらとした萩焼特有の陶土によってもたらされるそうです。
私が受けた感覚はまさに萩焼の特徴だったようです!
萩焼の特徴②:七化けする風合い
萩焼を含む陶磁器には、貫入(かんにゅう)と呼ばれる表面の細かなヒビが見られるものがあります。
この貫入、決して悪いものではありません。
貫入がある器は、使いこむほど貫入を通してお茶などの水分を染み込み、だんだんと風合いが変化していくのです。
やわらかくふっくらとした土を萩焼は、器自体の浸水性にも富んでおり「萩の七化け」と呼ばれるほどに、その風合いの変化から風情を感じられるそうです。
おすすめのお店
松光山
私が愛用している器の多くがこちらの作品です。
日本海に面する道から少し奥に入ったところに工房があります。日本海を想像するような深い藍地に、お花と茶器がデザインされた暖簾が、工房の目印です。
そのおしゃれな暖簾を横目に扉を開けば、期待通りの空間が広がります。
落ち着いた色合いの店内に並んでいるのは、藍色、薄灰色、薄ピンク色をした大小さまざまな器たちです。
どれも釉薬が上品なツヤをもっています。
そして、その器に目にも美味しいお料理をのせた写真が展示されています。この写真を見ると、つい真似をしたくなるでしょう。
萩焼らしさを出しつつ、現代の食卓に調和する色合いをもったすてきな器がたくさんあります。
これまで何度かお店を訪れ、「おまけ」として小皿をいただいています。
そんなところも魅力的なお店です。
松光山
住所:山口県萩市大井3216-1
電話:0838-28-0112
天龍釜
こちらのお店は天龍釜作品に加え、他窯の作品も並んでいます。
お店の棚は、作家さんごとに器が並んでいたり、器の種類ごとに並んでいたりと、さまざまな表情の器たちから成るオムニバス作品のようです。
天龍釜を通して新たな作家さんに出会える、そんなところも魅力のお店です。
そんな天龍釜のオリジナル作品は、伝統的な作品と、現代的な作品の2つのラインから成ります。
伝統的なラインは、萩焼らしい淡い色合いで土の風合いを感じる柔らかな作品です。
対して現代的な作品は黒、金、銀が多く、どこか無機質でモダンな印象を受けます。しかし、そういった器もよくみると繊細な貫入があり、それらを通して陶土の良さ、萩焼らしい伝統を感じます。そこには間違いなく作り手のあたたかさが表れています。
また、天龍釜では販売箇所の奥で陶芸体験もできます。作家さんが1対1で丁寧に教えてくれるので初心者でも気軽に体験できます。
私たちも体験してみました。
天龍釜
住所:山口県萩市大字椿3162番地の4
電話:0838-25-0493
見て、触れて、味わう
いかがでしょうか?
萩焼の魅力、すこしでも伝わったでしょうか?
私の拙い語彙力だけでは魅力を最大限に表現できていないので、萩焼会館さまのHPより、一部おことばを引用させていただきます。
萩焼は色や柔らかさなど、その風合いはどこか人の肌を思わせます。
引用:萩焼会館HP
持ったときに感じるあたたかさやほっとする感覚はそのためかも知れません。
使うほどに味わいが増し、使い手によって完成されると言われる萩焼。
あなたの萩焼に出会いに、ぜひお越し下さい。
今回この記事を作成することで、私はこれまで器の表面的な部分しかみれていなかったことに気がつきました。
製法、特徴を学んだうえで改めて手に取ると、釉薬(うわぐすり)の分厚さや貫入の入り具合、それぞれの器の小さな個性を見つけました。
同じデザインで2枚買った器も、よくみると貫入の濃さが違うことを知りました。
それに気づいたとき、より一層愛おしくなりました。
これからもあたたかい食卓を作っていくよう、二人三脚でがんばりましょうね。
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